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腫瘍切除後の再建手術における用途
腫瘍切除後の再建手術には、修復、再建、がんまたはがん治療による肉体的奇形や欠損の修復が含まれます。これには、皮膚移植、局所皮弁から有茎皮弁、遊離皮弁までの幅広い技術が関係します。
腫瘍切除後の再建外科における一般的な用途としては、以下が挙げられます。
- がん治療後の乳房再建
- 頭頸部のがんおよび腫瘍切除後の再建
- 乳癌治療後のリンパ節再建
背景画像:欧州トップレベルのがんセンター、Gustave Roussy Institute で乳房再建手術を行う外科チーム。Dr. Leymarie のチームにとって、ロングリーチと広い作業スペースによる、患者様の周りを容易に移動できるメリットがあります。これは、Dr. Leymarie が術野を画面から直接見ている様子です。
腫瘍切除後の再建手術における課題
腫瘍切除後に行われる再建手術は、非常に複雑な処置を必要とし、また長時間を要することも少なくありません。具体的には、乳房再建術の大きな課題のひとつとして、皮膚や脂肪の壊死などの合併症、皮弁壊死のリスクを低減しつつ、皮弁の血管再生の評価と組織の十分な灌流の確保を行わなければならないことがあります。
さらに、リンパ浮腫の外科的治療は、リンパ節マッピングやリンパ管静脈 の吻合を含めて技術的な難易度が高くなります。
再建手術のもうひとつの大きな課題に、手術室の環境を人間工学に基づいて 整えることがあります。現状では、形成外科医は、長時間にわたって人間工学に反するような負担のかかる姿勢を取らざるを得ないため、背中や首の痛みなど、手術や処置に伴う筋骨格系の障害を負う大きなリスクを抱えています。
再建外科および外傷外科における課題
複雑で広範囲にわたる外傷や欠損の再建は、困難で技術的に難易度の高いプロセスです。特に傷が複雑な場合や軟組織および骨の欠損が広範囲にわたる場合はなおさらです。
軟組織の置換は、壊死組織の完全な除去や十分な血流の確保を含め、再建手術および外傷外科手術における共通した課題です。血管や神経などの非常に複雑な組織の修復もまた、再建手術および外傷外科手術における主な課題の一つです。
さらに、形成外科の術中および術後の細小血管の機能評価は難しいことが多く、肌の色が濃い場合は時間もかかります。
背景画像:顎顔面再建手術中の Dr. Benichou と手術チーム。画像提供:Dr. Benichou(顎顔面外科および口腔専門医、Saint-Joseph Hospital(パリ))。
手術用ルーペとは比較にならないほど大きなメリットが得られます。しかし、顕微鏡使用による主なメリットについて私がお伝えしたいのは、照明に優れていること、倍率を調整できること、快適に見れること、視野が極めて広いことです。
形成外科手術中に血管蛍光イメージングが可能な拡張現実(AR)蛍光システム GLOW800
近赤外線(NIR)蛍光イメージングによる高コントラストと、白色光によるフルカラースペクトルを組み合わせた、この画期的なテクノロジーは単一のリアルタイム画像を生成します。 GLOW800 AR 蛍光システムと ICG を使って、術者は立体感のある、リアルタイムの蛍光血流観察像と、自然な色での周囲の生体組織を見ることができます。
腫瘍切除後の再建手術で GLOW AR 蛍光システムを使用すると、以下に役立ちます。
- インドシアニングリーン(ICG)による皮弁の生存確認
- 生存している乳房皮膚、壊死した皮膚および組織の識別
- 皮弁の境界特定の精度向上
- 脂肪壊死などの合併症の防止
蛍光フィルターを用いて形成外科手術における可視化を向上
従来型の蛍光イメージングは、吻合時に血流を可視化し、微小血管の機能評価を容易にするのに使用できます。これは、特に肌の色が濃い患者様に有効です。
術中血管造影モジュール FL800 と ICG 蛍光色素を併用した場合、リアルタイムに血流を示す NIR(近赤外線)蛍光画像が得られます。
背景画像:乳房再建術に使用される FL800。画像提供:Dr. Harold Chatel (形成外科、再建外科、美容外科の外科医、Saint-Joseph Hospital(パリ))。