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網膜硝子体手術用 Provero 8 眼科用顕微鏡

網膜硝子体手術用顕微鏡ソリューション

網膜の手術には、網膜裂孔、網膜剥離、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜上膜、黄斑円孔、網膜色素変性症などの網膜疾患や障害を治療するためのさまざまな処置が含まれます。人口の高齢化と糖尿病などの慢性疾患の発症率の増加により、網膜硝子体手術が急増しています。 

網膜疾患は視力に重大な影響を及ぼしうるものであり、治療せずに放置すると重度の視力喪失や失明を引き起こす場合もあります。疾患の性質に応じて、硝子体切除術は病気の進行を止めたり遅らせたり、視力を維持、改善、または回復するのに役立ちます。

硝子体手術では、眼科外科医が硝子体の全部または一部を除去し、代わりに生理食塩水、ガス、または油の泡を注入します。硝子体手術は、最も繊細で複雑な眼科手術のひとつです。最適な視覚化と結果を得るには、網膜用顕微鏡の使用が重要となります。

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お客様のニーズとご予算に合った網膜硝子体手術ソリューションについて、専門的なアドバイスを提供いたします。

網膜硝子体手術における課題

網膜硝子体手術では、網膜のあらゆる構造を可視化するために、外科医は、硝子体を通してはっきりと観察できる必要があります。さらに、外科医は、特に硝子体手術器具の操作や脈絡膜層の切開を行う際に、頻繁に焦点を合わせ直す必要がなく、完全に焦点の合った視野を必要としています。

後眼部および網膜硝子体手術における最大の課題には、以下のようなものがあります。

  • 低照度の条件下で手術する際に高い精度を実現すること 
  • 可視化のために十分な照明を確保しつつ、光毒性曝露のリスクを回避すること
  • 広角観察システムを使用する際に、網膜を明確に可視化し続けること
  • 剥離や血管縫合などの作業時に、異なる組織層を判別すること
  • 膜剥離の張力の度合いを評価することで、裂傷を防ぎ、下層組織に損傷を与えないように保護すること
  • 膜剥離時の膜層を明確に可視化できるようにすること

網膜硝子体手術用ライカ顕微鏡ソリューションの主な特長

Proveo8 BIOM 5

非接触で眼底を広角観察

シンクロフォーカスを搭載したBIOM 5 を活用することで、後方手術の際に広角観察を楽に行うことができます。また、インバーター内蔵のライカ RUV800 網膜広角表示システムも利用できます。

網膜硝子体手術の準備のため全身麻酔を受けている患者

1つのビューで深い焦点深度と高解像度を実現

ライカ独自の技術である革新的な FusionOptics は、周辺部から網膜にいたるまで、鮮明かつ質感豊かな画像を提供します。これにより、視界が広がるだけでなく、再フォーカスの回数が減るためワークフローも向上します。

ライカ Proveo8 EnFocus 網膜スクリーン

これまで隠れていた表面下を詳細に観察する

ライカの EnFocus 手術中 OCT は、表面下にあるものを観察することが可能となり、得られた追加情報で、手術操作に対する表面下の組織の反応を、リアルタイムに理解できるようになります。

Spitzer 教授とハンブルク病院の手術室写真

低光量でも高いレベルのディテールを観察

ライカ眼科用顕微鏡の高透過率アポクロマートレンズにより、驚異的な画像の詳細さと品質が実現し、低光量でも重要なディテールを確認できます。

このインタビューでは、Asheesh Tewari 医師が、糖尿病性硝子体手術症例における術中 EnFocus OCT 搭載眼科用顕微鏡 Proveo 8 の使用について説明し、また、術中OCT が黄斑円孔、網膜上膜、その他の牽引膜の存在を明らかにする方法について語っています。

糖尿病性網膜症

世界保健機関(WHO)によると、世界中で390万人が中等度から重度の糖尿病性網膜症に罹患しています。糖尿病で予測される負担によると、2040年までに、糖尿病性網膜症の定期的な網膜検査を受ける必要がある人の数は、世界中で50%増加すると推定されています。1

術中に光コヒーレンストモグラフィー(OCT)を使用することで、糖尿病性網膜症治療のための外科手術中に貴重な情報を得ることができます。

インタビュー:糖尿病患者を治療するツールとしての術中 OCT

網膜剥離2

後眼部手術では、術中の光コヒーレンストモグラフィー(OCT)が網膜を映し出し、網膜剥離の程度を評価するのに役立ちます。また、残留網膜下液、小さな網膜裂孔、増殖性硝子体網膜症の検出にも役立ちます。さらに、液空気置換を完了させるのにも役立ちます。 

特に牽引性網膜剥離では、術中に光コヒーレンストモグラフィー(OCT)を行うことで、平面をリアルタイムで可視化できるため、より正確な剥離とセグメンテーションが可能になります。

膜剥離と黄斑円孔手術

ライカの網膜手術用顕微鏡ソリューションは、膜剥離の張力レベルをリアルタイムで評価し、潜在的な断裂を回避して下層組織の完全性を保護するのに役立ちます。

黄斑円孔手術の場合、黄斑円孔の形状の構成と変化は、外科的介入の解剖学的成功との関連性を示しうるものですが、術中の光コヒーレンストモグラフィー(OCT)は、その観察に役立ちます。

例えば、全層黄斑円孔(FTMH)手術では、術中光コヒーレンストモグラフィー(OCT)により、外科医は膜の残留を避けながら完全な剥離を確認することができます。

網膜手術用顕微鏡ソリューション:成人から小児まで、手術室の効率化

ライカの網膜用顕微鏡ソリューションは、網膜硝子体手術用にあらかじめプログラムされた設定を搭載しています。フットスイッチを軽くタップするだけで、顕微鏡が自動的に調整されます。完全統合型の光コヒーレンストモグラフィー(OCT)により、高解像度の OCT スキャン画像を簡単に取得でき、手術中に記録して注意深く確認することができます。

スペイン、バルセロナのサン・ジョアン・デ・デウ小児網膜地域病院の Jaume Catalá 医師とのビデオ インタビュー: 術中 OCTによる 可視化が小児眼科手術に大きな利点をもたらす理由。

網膜硝子体手術に関する質問

Show answer 網膜が剥離すると、どうなりますか?

網膜剥離の場合は、専門医に紹介されます。網膜を眼球の奥に再接着するための手術を受ける必要があるかもしれません。

Show answer 剥離した網膜は手術なしで固定できますか?

網膜剥離のほとんどは手術で治療されます。しかし、特定の症例では、外来診療で実施される非外科的代替療法として、気体網膜復位術が使用される場合があります。

Show answer 網膜に問題が生じたときの解決策は?

網膜の障害・疾患は、多種多様です。適切な治療法は、多くの要因によって決定されます。眼科医が最適な処置について助言を行うことができます。

Show answer 網膜は自然に修復が可能ですか?

人間の網膜は再生せず、損傷した網膜細胞は治癒したり成長したりしません。そのため、網膜の損傷は不可逆的なものとなります。

Show answer 最新の網膜治療はどのようなものですか?

眼科の分野は急速に進歩しており、新たな治療法によって治療水準が向上しています。治療の選択肢については、医療専門家に相談してください。

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参考文献

  1. World Health Organization, Word Report on Vision, October 2019. Accessed on March 27th, 2023, at: https://www.who.int/publications/i/item/9789241516570

  2. Retinal Physician, Update on Intraoperative OCT for Vitreoretinal Surgery, Jan-Feb 2020, Accessed on March 2nd, 2023 at: https://www.retinalphysician.com/issues/2020/januaryfebruary/update-on-intraoperative-oct-for-vitreoretinal-surgery/

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