STELLARIS DIVE 多光子顕微鏡
マルチカラー多光子顕微鏡でより真実に近く
複数の異なる蛍光標識の組み合わせは、細胞や分子間の動態的な相互作用や三次元の関係を研究するために使用されることが増えています。 その目標は、細胞間結合、細胞の表現型およびタンパク質の 相互作用、共発現および共局在などの多数の複雑な生物学的事象を理解することです。 これらの研究を臓器や組織全体にスケールアップするには、適切な大容量のマルチカラー顕微鏡法が必要です。 DIVEとSTELLARISは統合され、柔軟なマルチカラー多光子イメージングの能力を提供します。 さらに、蛍光標識不要のイメージング機能を追加することで、実験の可能性を広げることができます。
共焦点ソフトウェアインターフェイスにシームレスに統合されたSTELLARIS DIVEは、高速で優れたナビゲーションの利点を提供し、複雑なサンプルの動的プロセスを容易に研究 できるようになります。
STELLARIS DIVE – 輝かしい将来の研究の可能性。
これまで以上に鮮明にin vivoで分析する能力
STELLARIS DIVEは、1 mm以上の深部観察が可能な柔軟なマルチカラー画像を提供します。 取得する蛍光波長を自由に調整可能なノンデスキャン検出器 4Tuneにより、最大4つの検出波長域を同時に取得することができ、また、シーケンシャルスキャンを用いることで、より多数の波長域を検出することができます。 蛍光色素の組み合わせに適応する柔軟性を提供します。 STELLARIS DIVEを使用すると、億を超える蛍光色素分子の組み合わせで多光子実験を行うことが可能であり、神経接続、臓器構造、動的相互作用、細胞とタンパク質の空間的関係などの複雑なプロセスの研究をより詳細に研究できます。
STELLARIS DIVEでは、4色以上を使用して関連するタンパク質を識別、覚醒マウスの海馬活性を観察、厚い固定化腸切片の構造を観察するなど、生きた試料での転移を研究することができます!
従来のダイクロイックはすべての蛍光色素を切り分ける上で最適でないことがあります。スペクトル検出機能を活用することで、検出したい波長の各蛍光色素を実際に最適化できるため、この作業がかつてない程容易になりました。
Prof. Dr. Jacco van Rheenen. Netherlands Cancer Institute, Amsterdam(オランダ)。
4Tune検出器による容易なDIVE
4Tuneノンデスキャン検出システム は、2~4個の検出器の装備が可能で、ハイブリッド検出器(Power HyD NDD)、光電子増倍管(PMT)、あるいはその両方を自由に構成できます。 蛍光は可変ダイクロイックとバンドパスフィルターを組み合わせることで切り分けられます。 全可視スペクトル(380~800 nm)で検出を自由に調整可能!
4Tuneのユーザーインターフェイスを使用することで、簡単なドラッグアンドドロップ操作で複数の遺伝子導入マーカーの取得蛍光波長域の設定を最適化できます。 分かりやすい直感的なデザインにより、最小限のトレーニングで簡単に操作できます。
STELLARIS DIVEは、既存および新開発のあらゆる遺伝子導入マーカーに適応し、新たな開発への可能性を拓きます!
新たなレベルの深部観察を可能に
STELLARIS DIVEを使えば、限りなく深部を詳細にとらえるよう調節することができます。 すべての励起ビームは、新しいVario Beam Expander(VBE)を使用してあらゆる対物レンズに合わせて独立して最適な調整を行うことが可能です。
VBEにより、共局在性を最適化し、分解能と深度を研究目的に応じて適切なバランスに調整することができます。
Vario Beam Expanderで深度と分解能を最適化
Leica Vario Beam Expander VBE は、ビーム径と集光位置を調整可能にします。 このことは最大限の深さ、最高の分解能、フルカラー収差補正を提供します。
分解能と深さの最高のバランスに合わせて調整可能なビーム径
STELLARIS DIVEはさまざまなサンプル条件へ適応します。 Vario Beam Expanderを使用することで、以下を選択できます: 対物レンズの瞳径をすべて満たすことで最大限の分解能を、瞳径をわずかに満たさないことで最大限の深部観察を可能にします。 対物レンズ瞳径を満たしきらないことで、フォーカルボリュームが長くなり、経路長が短くなるため、より効率的な励起につながります。
フルカラー収差補正に合わせて調整可能なビーム発散
ライカのIR APO対物レンズはIR領域の色収差の心配がありません。 STELLARIS DIVEなら、IRにとどまらず複数のIRレーザーラインに適した対物レンズを使用できます。 Vario Beam Expanderにより波長シフトに合わせて修正することで、有効なマルチカラー実験を可能にします。
無標識のイメージングで深部生体内実験の可能性を広げる
コラーゲンおよびエラスチンなどの分子は、癌などの疾病において関連する役割を有します。 ライカ4Tune検出器は、第二および第三高調波発生シグナルを使用して、無染色でこれらの重要な構造を研究することを可能にします。
DIVEとSTELLARISの組み合わせはまた、蛍光に固有の寿命に基づく情報の使用を可能にします。 この機能により、NADHまたはFADの寿命イメージングによる試料の代謝マッピングなどの実験が可能になります。
追加染色を必要とせずに容易に組織をナビゲート
組織をナビゲートするには、多くの場合、関心領域がどこに位置するかを知るための配向ランドマークが必要となります。 コラーゲンの足場特性は、組織をナビゲートし、対比染色を必要とせずに関心領域を検出するのに役立ちます。
ほとんどの生物学的組織は、結合組織の主成分であるコラーゲンを含んでいます。 例えば、腸はコラーゲン層で囲まれています。 励起波長のちょうど2分の1でシグナルを収集することで、多光子顕微鏡でコラーゲンを容易に可視化できます。 4Tuneの柔軟な検出域を使用すると、任意の波長を使用してこのシグナルを検出できるため、追加の標識や労力が必要ありません。
多光子イメージングと寿命情報を組み合わせて代謝変化を研究
代謝変化は、組織が健康であることの重要なマーカーである可能性があります。
STELLARIS DIVEは、蛍光寿命に基づいたイメージングツールTauSenseのすべての利点を提供します。 細胞の代謝状態が変化すると、NADHなどの分子の蛍光寿命の変化によって視覚化できます。 NADHは糖質の代謝に主要な役割を果たし、その蛍光寿命はグルコース濃度に依存します。 NADHの蛍光寿命は、グルコースの分解を引き起こす生化学反応に起因する立体構造の変化によって変化します。
完全な定量性のある蛍光寿命分析のために、STELLARIS DIVEをFAst Lifetime COntrast(FALCON)と組み合わせることができます。
多光子実験に新たな次元を追加
自家蛍光は、NADHやFADなどの低分子、または組織構造などの内因性の蛍光体から生じる、組織からの自然蛍光です。 試料のイメージング時にしばしば自家蛍光由来の問題が発生します。 しかし、それを活用できるとしたらどうでしょうか?
DIVEとTauSenseの組み合わせにより、蛍光寿命に基づく分離を使用して、自家蛍光シグナルから貴重な情報を取得できるようになりました。 この機能により、貴重な試料からより多くの情報を得ることができます。
STELLARIS独自のソフトウェア機能による生産性の向上
多光子システムは通常、使用の柔軟性は低く、各実験やユーザーに適応させる必要があります。 これに加えて、生きている動物や摘出されたばかりの組織を扱うストレスを考えると、多光子実験を行う際の柔軟性がいかに重要であるかがわかります。 STELLARIS DIVEは、STELLARISソフトウェアへの多光子機能のシームレスな統合により、セットアップから最終的な結果まで、簡単で手間のかからないワークフローを提供します。
- ImageCompassによるシームレスな実験セットアップ
- LAS X Navigatorで試料の関心領域を発見する直感的なアプローチ
- ダイナミックシグナルエンハンスメントによる画像取得速度と分解能の両方の向上
ImageCompassによるマルチカラー多光子イメージングの簡単で迅速なセットアップ
STELLARIS DIVEの多光子ハードウェアは、STELLARISのImageCompassインターフェイスに完全に統合されているため、ユーザーは実験の条件を簡単に設定して迅速に開始できます。
MPの励起と発光は、豊富な蛍光色素のデータベースを使ってシステムが自動的に設定することができます。 また、数回クリックするだけで手動で設定することもできます。 シーケンシャル設定と高速ライブ、3Dビュアー –マルチカラー多光子イメージングがこれまでになく簡単になりました。
試料のオーバービュー像を常に把握しながら、関連する情報を迅速に調べる
LAS X Navigatorは強力なナビゲーションツールで、画像ひとつずつの検索からサンプル全体像の表示にすばやく切り替えることができます。 DIVEとSTELLARISの統合により、多光子実験はより効率的になります。 大型で複雑なサンプルの間を自由に移動し、高速なオーバービュー、マルチポジションイメージング、タイルスキャンを備えた深部マルチカラーイメージングを提供することができます。
長さ1 cm、厚さ0.5 mmの腎臓切片のモザイク画像が容易に取得され、腎神経細胞およびコラーゲン系の全体像が得られます(ここではTauContrastと組み合わせ)。
ダイナミックシグナルエンハンスメント:
生体内の高速プロセスの解像度を維持
生きている試料におけるプロセスは速いものです。 しかしながら、動物モデルにおける蛍光シグナルは弱い傾向にあります。
この2つの課題を解決するのがダイナミックシグナルエンハンスメントです。 これにより、サンプルのダイナミクスに適応しながら、S/Nを向上させ、結果として解像度を向上させるための平均化が可能になります。