LAS X Materials Science Modules 金属組織学および材料分析用画像解析ソフトウェア
パワフルな顕微鏡イメージング環境を提供
Leica Application Suite X (LAS X) ソフトウェアは使いやすさを最重視した設計となっています。使いやすいユーザーインターフェースと直感的なナビゲーションで、多種多様なワークフローに適用できるソフトウェアとして開発されました。LAS X はニーズに合わせて、各種モジュールやアプリケーションを拡張でき、パワフルな顕微鏡イメージング環境を構成することができます。各モジュールを必要に応じて追加することで、ニーズにぴったりのソリューションを提供します。
LAS X Grain Expert ソフトウェア:金属・合金における粒度解析
LAS X Grain Expert モジュールは、金属・合金、その他材料の粒度を正確、かつ再現性よく算出できるため、オペレーターの作業を効率化することができます。多様な構造、試料が研究できます。
試料断面について 1 次元の長さを測定する切片法(intercept method:切断法、Heyn法)、2 次元の面積を測定する面積計量法(planimetric method:求積法、Jeffries法)、Abrams の三円法(3-Circle procedure)など従来の立体解析法もサポートしており、自動的に適用、粒径が計算されます。従来の立体解析法では粒径の推定に 1 次元のデータを用いることが難点でしたが、LAS X Grain Expert では独自の 2 次元アルゴリズムを用いて粒の面積を直接測定します。このアプローチによって従来の非デジタルな手法よりも正確度が向上します。 LAS X Grain Expert は、金属組織学における粒度解析に関する各種国際規格(ASTM E112、DIN/EN/ISO 643、GOST 5639、JIS G0551 など)に適合しています。ASTM E1382 や ASTM E930 など、各種の派生あるいは関連規格も、上記の主要規格に包含されています。
LAS X Phase Expert ソフトウェア:相分離・多値化ソフトウェア
LAS X Phase Expert モジュールは最大 10 種類の相の面積率測定や、微細構造成分の解析を可能にします。金相、岩石の偏光像など複数の色を含む試料に最適です。
高ビット深度または HDR 画像を用いた検出アルゴリズムにより、識別が難しい相も解析可能になります。従来の画像では、ビット深度の色深度は 256 階調でしたが、LAS X Phase Expert では、検出精度が 250 倍以上になる可能性があります。 解析結果は通常、観察された微小構造内での各相の百分率として計算されます。さらに、従来の相解析にとどまらない対象物測定方法を提供し、各種の幾何学的・形態的パラメータを評価することもできます。
LAS X 2D Analysis ソフトウェア:取得画像を二値化、画像処理解析
LAS X 2D Analysis モジュールは、金属解析ソフトウェアに必要となる汎用性の高い二値化ソフトウェアです。粒子、粉末、繊維、空隙、空孔など様々な対象物や構造を形態的特徴によって、また強度や色などの物理的特性によって解析することができます。
対象物は LAS X 2D Analysis で提供されるパラメータに従って分類することができます。従来からの手法の他にプログラミング機能により、新たな分類のためのパラメータを作成することができます。直感的なユーザーインターフェース、わかりやすい操作フロー方式の採用で、マウスクリック操作で、再現性のある測定が可能です。 LAS X Multichannel Analysis オプションを組み合わせて、対象物の検知と分類を並行して行うことができ、論理演算子(AND、OR、XOR など)を用いて個別的な結果を結合することで様々な測定結果を統合することができます。 LAS X 2D Analysis/Multichannel Analysis モジュールは品質管理部門、R&D 部門など、種々の解析作業に理想的なツールです。
LAS X Reticule ソフトウェア:デジタルレチクル
従来の対物レンズのレチクルでの観察と測定は、眼精疲労などストレスフルな作業で、測定の正確性も落ちる可能性があります。それに比較して、デジタルレチクルでは作業性が大きく改善され、測定の正確性も保持されます。LAS X Reticule による解析結果は、画像上に貼り付けて保存することができます。
各種デジタルレチクルはライブ像に自動的に表示されます。光学部品の追加など一切不要で、マウスをクリックするだけで必要なレチクルを表示、測定できます。LAS X Reticule モジュールは、快適かつすばやい作業環境を提供するだけでなく、従来のソリューションに比べて経済性も優れています。各種レチクルを挿入した接眼レンズを個別に購入する必要はありません。LAS X Reticule モジュールは、50 種以上のパターンを提供。各種国際規格に準拠した相解析、粒度解析、非金属介在物評価などに特化したソリューションが利用できます。既存のパターン以外に、デジタルレチクルファイルは編集可能、かつオープンソースの描画ソフトウェアを用いて新たなファイルを作成し、追加することもできます。
LAS X Cast Iron Expert ソフトウェア:黒鉛球状化率
LAS X Cast Iron Expert モジュールは鋳鉄の特性に大きな影響を与えるグラファイト、フェライト、パーライトの色・形状・サイズを分析します。
従来の比較に基づくアプローチと異なり、LAS X Cast Iron Expert は黒鉛鋳鉄の種類、形態、寸法、分布を自動的に決定します。解析は各種国際規格に記述されている手順に適合、結果を各種規格(ASTM A247、ISO 945-2、JIS G 5502)に従って表現することもできます。 エッチングした試料の黒鉛球状化率解析のほか、フェライト面積率・パーライト面積率の測定も可能です。LAS X Cast Iron Expert モジュール独自の検出アルゴリズムは高ビット深度または HDR 画像と最新のコントラスト法を採用しており、黒鉛球状化率とフェライト・パーライトの解析を並行して迅速に行うことができます。その他多様な幾何学的・形態的パラメータの評価にもこのソフトウェアを利用することが可能です。
LAS X Metallography Toolbox:立体解析法のための自由度の高いツール
LAS X Metallography Toolbox は、LAS X 2D Measurement を強化したモジュールで、金属組織学や冶金学の試料の立体解析のための汎用ツールボックスです。金属組織学や材料科学における種々の用途のための専用ツールとしても利用できます。
測定(たとえばベースラインの長さ、直線の交点。点の計数、円弧、多層コーティングの厚さなど)の較正のためのパラメータを定める際の手作業が簡単になります。 測定に個々のクラスを割り当て、関連するパラメータを比較解析することも可能になります。層の厚みを検出し、複数本の測定により精度高く、厚みを測定できます。
LAS X Decarburization Expert モジュール:熱処理鋼表面の脱炭層深さ測定
LAS X Decarburization Expert モジュールは鋼の空気中での焼き戻し、あるいは熱硬化の解析に特化したツールです。炭素減少(脱炭)は焼き戻した鋼の性質、品質に影響します。LAS X Decarburization Expert は、脱炭層深さを測定できます。
高性能処理前フィルターの選択によって、試料の調製やエッチングの過程に起因するアーティファクトの影響を避けることができます。 さらに、高度な解析アルゴリズムにより、材料および製品の規格に定められたパラメータの相関を自動的に求め、最終結果を計算します。ソフトウェアは完全自動操作ですが、オペレーターはいつでも介入することができます。 LAS X Decarburization Expert ソフトウェアは、鋼の脱炭層深さの測定に関する各種国際規格(ASTM 1077、DIN 50192、ISO/DIN/EN 3887、JIS G0558 など)に適合します。