スパッタコーティング & 凍結割断ソリューション
スキャニング(SEM)または透過電子顕微鏡法(TEM)でサンプルの高画質画像を取得するには、サンプルは帯電を避けるために導電性である必要があります。 サンプルに十分な導電性がない場合は、スパッタコーティングを用いて導電層で簡単にサンプルを覆うことが可能です。 また、炭素またはe-ビームの蒸発器コーティングを使用することもできます。 このようなコーティングは、サンプルを保護し、EM画像のコントラストを高め、小さなサンプルのTEMグリッド補助膜として機能します。
どのコーティング技術が最適かについては、サンプルの特性、分析する構造の大きさ、EMイメージング用調製に必要な方法により異なります。 一部の高度なアプリケーションについては、サンプルの凍結割断もしくは凍結エッチングが必要です。 その場合、冷却輸送、極低温条件下でのサンプルコーティング、cryoナイフでのサンプル割断が可能な機器が必要になります。
室温で低真空スパッタコーティング機器によるコーティングから、高真空、さらに極低温化でのコーティングまで、ライカのコーティングソリューションは非常に幅広いニーズに対応しています。 基本的なコーティングから極めて高度な凍結割断用途まで、サンプル調製のワークフローを向上・最適化するための機器が揃っています。
EMサンプル調製の効率化は弊社専任チームにご相談ください。
なぜ電子顕微鏡(EM)用にサンプルをコーティングする必要があるのですか?
EMイメージングでは、導電性のないサンプルは帯電や熱損傷のリスクを抑制するために導電層でコーティングする必要があります。 場合によっては、金属の薄膜は二次的電子放射信号の改善にも有効です。
いつ炭素をコーティングするべきですか?
カーボン(C)コーティングは一般的に、透過電子顕微鏡法(TEM)の補助膜として使用されています。 薄い炭素膜は通常、数ナノメートルの厚みで、TEMグリッド上の置かれます。 炭素膜は薄く、強度があり、電子に対して透過的です。 カーボンコーティングはまた、保護層としても使用されます。
凍結割断はどのような用途に使用されますか?
生物試料または有機試料の内部の微細構造を明らかにするため、試料を極低温度まで冷却し、物理的に壊すことができます。 導電層でコーティングされると、露わになった試料の微細構造を電子顕微鏡法(EM)で検証することができます。 凍結割断は本来、細胞小器官や膜組織等の細胞下構造の検証といった、生物学的用途に使用されています。 しかし最近では、層やエマルションを扱う素材科学や物理学の一部用途においても関心を集めています。
低真空スパッタコーターは、SEMアプリケーションで中程度の倍率で薄膜を蒸着させることが可能です。 サンプルは金(Au)、プラチナ(Pt)、金/パラジウム(Au/Pd)等の適切な素材でコーティングできます。
高真空スパッタコーターは、はるかに微細な粒状構造の薄膜を蒸着させることで、高分解能SEM分析を可能にします。 また、 イリジウム(Ir)、タングステン(W)、チタン(Ti)をはじめ、酸化金属を含む幅広い素材をスパッタできます。 クロム(Cr)をスパッタし、緩衝層を形成する場合もあります。 さらに、高真空コーターはより高度な用途や多層蒸着用に構成することが可能です。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください
https://www.leica-microsystems.com/science-lab/expert-knowledge-on-high-pressure-freezing-and-freeze-fracturing-in-the-cryo-sem-workflow
https://www.leica-microsystems.com/science-lab/brief-introduction-to-freeze-fracture-and-etching
凍結割断
凍結試料の内部構造を明らかにするためには、物理的に構造を壊し、電子顕微鏡で観察します。 Leica EM ACE900 クライオコーターは、高度なミクロトーム、電子ビーム源付きの柔軟な陰影オプション、回転型クライオステージ、ロードロック輸送システムを搭載し、ワンランク上の凍結割断技術を可能にします。 この技法により、TEMでの複製の高分解能解析、さらに、Leica EM VCT500を活用することで、cryo SEMでのブロックフェースイメージングが実現します。 cryoステージやVCT500との接続を備えたLeica EM ACE600は、cryo SEMで露わになった表面の画像取得を行うための凍結割断ソリューションです。