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開口数
対物レンズの開口数(NA または A)は、光学像のための重要な要素で、対物レンズの分解能力と画像の明るさを決定します。開口数はレンズの半開口角aの正弦と液浸媒質の屈折率nにより定義されますこの定義によれば、開口数が大きくなるほど焦点が狭くなり、分解能が高くなります。
対物レンズには倍率、その次に個別の開口数(10x/0.40 、63x/1.40など)が表記されています。開口数は、絞り付き対物レンズを使用して変更できます。
開口数の詳細については、 Leica Science Lab をご欄ください。 "Beware of "Empty" Magnification"
アイリス絞り
絞り付き対物レンズの使用により、対物レンズの開口数を変更でき、これは特に、広視野顕微鏡検査に役立ちます。絞りが閉じていると、開口数と分解能が小さくなり、焦点深度は増加します。絞りを再度開くと、開口数が大きくなり、分解能が高くなりますが、焦点深度は減少します。開口部を狭くすることで、対物レンズを暗視野対物レンズとして使用することもできます。
絞り付き対物レンズには、開口数の調整可能範囲(1.4 – 0.7など)が表記されています。
開口、分解能、焦点深度の物理的関係はグラフに表示されています。開口数が小さいと分解能が低くなりますが、焦点深度は大きくなります。開口数が高くなることは分解能の向上を表しますが、焦点深度は小さくなります。
開口部と解像度の間の線形相関(緑)、開口部と被写界深度の間の指数関数的相関(赤)
補正環
標本と介在するすべての光学媒質の屈折率が対物レンズ対応の数値と一致する場合、高分解能対物レンズは最高性能を発揮します。カバーガラスの厚さのばらつきと温度変化、媒質の不均質性や厚みのある標本により、屈折率のミスマッチが起こります。屈折率のミスマッチが発生すると、点像分布関数、幾何学的ひずみ、色補正機能が悪化します。これらは、侵入深さやコントラスト、顕微鏡画像の強度を制限します。
浸漬油は従来、標準的なクラウンガラスに近い屈折率を持ちます。油浸対物レンズは、この油の屈折率に合わせて設計されたものです。このレンズは、カバーガラスの近くで作動する場合、または浸漬油に近い屈折率をもつ媒質に浸漬されたサンプルへの使用に最適です。屈折率がこの数値からずれているサンプルについては、特殊な対物レンズをご用意します。最も一般的な液浸対物レンズは水浸対物レンズ、次にグリセリン浸対物レンズです。液浸媒質の詳細については、こちら. 浸漬油は従来、標準的なクラウンガラスに近い屈折率を持ちます。油浸対物レンズは、この油の屈折率に合わせて設計されたものです。このレンズは、カバーガラスの近くで作動する場合、または浸漬油に近い屈折率をもつ媒質に浸漬されたサンプルへの使用に最適です。屈折率がこの数値からずれているサンプルについては、特殊な対物レンズをご用意します。 最も一般的な液浸対物レンズは水浸対物レンズ、次にグリセリン浸対物レンズです。 液浸媒質の詳細については、こちらをご覧ください。水浸対物レンズとグリセリン浸対物レンズはカバーガラスの変化に大変影響を受けやすく、媒質の厚さの変化による屈折率のミスマッチ、温度変化、さらに液浸媒質またはサンプル自体のずれが発生します。従って、高開口数の水浸対物レンズとグリセリン浸対物レンズには、これらの誤差を補正するための補正環を搭載しています。
補正環は、それを回して中心のレンズ群を軸方向に移動させて、最適な画像解像度と明るさが得られるように調整します。補正環の手動調整には時間と経験を要し、サンプルをかき乱す可能性があるため、ライカは電動補正環付き水浸対物レンズを提供しています。
CORR =補正環付き対物レンズ
長作動距離
サンプルの接触可能エリアでは、対物レンズがサンプルホルダー、電気生理学、生体内撮像用のマルチウェルプレート等の機器の端部に衝突して制限される場合があります。超長作動距離をもつ対物レンズを使用することで、そのようなサンプルの端部も制限無く撮像することが可能になります。
マルチフォトン励起による、または透明化された組織中の深部組織の撮像を行う場合も、作動距離が大きい対物レンズを使用することで、これらの技術のメリットを十分に活かすことができます。現在、1mm超の作動距離に対するニーズは珍しいことではありませんが、有効な高分解能の画像を提供するためには、対物レンズの開口数は可能な限り大きくする必要があります。
並外れた長い作動距離を実現する水浸対物レンズ
HCX APO L 20x / 1.0 W、M32ネジ付き、ライカDM6 FSおよびCFS、FWDで使用:2 mm
HCX IRAPO L 25x / 0.95 W、M25ネジ付き、すべての顕微鏡で使用、FWD:2.5 mm
HCX APO L U-V-Iシリーズ、FWD:2.2~3.6 mm
屈折率
対物レンズのフロントレンズの前部にあるすべての光学関連要素(液浸媒質、カバーガラス、サンプル)は、画像品質に重大な影響を及ぼします。理想としては、これらすべての光学層全体の屈折率は、対物レンズの対応する屈折率と一致する必要があります。しかし、サンプルが不均質であったり、カバーガラスの厚さがそれほど精密でなかったり、画像取得中に温度が変化したりと、現実はほとんど不可能です。
アプリケーション用に対物レンズと液浸媒質を選択する時には、これらの点にご注意ください。
対物レンズの開口数が高くなるほど、サンプル内の対象構造が深くなり、サンプルと液浸媒質の屈折率が一致することがより重要になります。屈折率が異なる場合、構造の球面収差や幾何学的歪みを引き起こします。それにより、コントラストや鮮明度が損失し、構造が圧縮されたように見えたり、引き伸ばされたように見えたりします。
オイル
ライカの浸漬油タイプNと タイプFの屈折率は1.518 (温度:23℃、波長:546nm)で、標準的なクラウンガラスの屈折率(n=1.518)と同じです。マルチカラーイメージング法の場合、浸漬油の分散も重要になります。これは一般的にアッベ数と呼ばれ、このアッベ数は、対物レンズに対応するアッベ数と一致しなければなりません。アッベ数が一致しない場合、色収差が発生します。例えば、ライカの浸漬油タイプNのアッベ数は42.1、一方タイプFの場合は46で、蛍光撮像に最適ですが、タイプNは蛍光撮像に適していません。
油浸対物レンズは、油と屈折率が一致する媒質中のサンプル、すなわち伝統的に、レジン、カナダバーム、またはグリセリンゼラチンに封入して固定された標本に最適です。また、カバーガラスから2、3µm未満の位置で撮像します。油と媒質の屈折率が一致しない場合、カバーガラスからそれ以上離れると、画像の明るさや解像度が急速に劣化します。
水性サンプル中のイメージング等のライブセルイメージングの場合、水浸またはグリセリン浸対物レンズの使用を強く推奨します。
超高開口数の油浸対物レンズは、浸漬油の屈折率が温度に大きく依存しているため、比較的狭い温度間隔でのみ光学性能を最大限に発揮します。作動距離が大きくなるほど、油層が厚くなり、画像品質に対する温度関連収差の影響が大きくなります。温度影響は作動距離に比例して変化しますが、開口数の4乗に依存しています。
室温から離れた温度で実験を行う場合、水浸対物レンズの使用を推奨します。水の屈折率は温度依存性が小さいため、補正環を搭載した水浸対物レンズでの補正をお勧めします。
水
水浸対物レンズは、液浸媒質とサンプルの屈折率は、例えば浸漬油の屈折率よりも近いため、水溶性媒質中の生体細胞の観察に最適です。但し、水は急速に37℃で蒸発します。ライカの水浸マイクロディスペンサーは実験中、自動的に水を追加して安定した水浸漬を行います。
グリセロール
現在、ほとんどの固定標本(培養細胞、厚みのある試料の組織片、ホールマウント胚等)は、封入剤MowiolやVectashield、またはそれらに類似した、水とグリセリンに褪色防止剤や保存剤等、さまざまな薬品を添加した混合液にセットします。これらの媒質は、グリセリン80%、水20%の混合物の屈折率(n=1,45)と近似した屈折率を有しており、グリセリン浸対物レンズは、1.45~1.46に近似した屈折率をもつあらゆる媒質に入れたサンプルに適しています。
ライカのグリセリン浸対物レンズは、補正環を搭載し、マウント媒質の組成変化やカバーガラスの厚さまたは温度のばらつきによる屈折率の変動にレンズ類を適合させます。アプリケーションレター No. 17 (2004年4月)にグリセリン浸対物レンズと屈折率ミスマッチの影響について詳細に記述しています。
多くの多重液浸(IMM)対物レンズは、下記の通り、水や油の浸漬の他にグリセリン浸漬にも利用できます。
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