Neurofilaments stained in red to assess neuronal outgrowth in E12-14 mouse. The mouse was uncleared. Courtesy of Yves Lutz, Centre d’imagerie, IGBMC, France.
モデル生物研究のための顕微鏡観察法
モデル生物はほとんどの場合、大きく複雑で密度が高いため、イメージングにおいて課題となる可能性があります。 このため、これらサンプルの研究を可能にするためには、柔軟性に優れた顕微鏡が必要となります。 従来、モデル生物の研究には、ゼブラフィッシュなどの試料のマクロな分析や操作を可能にする実体顕微鏡から、大きな生体の深部イメージングを可能にする多光子顕微鏡まで、複数の顕微鏡観察技術が必要となります。
これらのより厚みのある試料には、細部を細かく映し出し、焦点外のシグナルを除去することができる共焦点顕微鏡が適しています。 しかし、共焦点顕微鏡には通常、レーザー出力の高さによる光退色や画像取得速度といった、いくつかの課題があります。
このような励起光の影響を受けるサンプルを3Dでイメージングする場合、光毒性の低いライトシート顕微鏡などの革新技術が主流になりつつあります。
モデル生物をイメージングする場合の課題
モデル生物を用いた実験は非常に多様なため、顕微鏡を使用する場合の課題は、動的研究または分子事象の研究かによって異なります。また、それは、線虫の少数の細胞からマウスなどの大型で複雑な動物まで、使用されるモデル生物の複雑性にも左右される可能性があります。
モデル生物をイメージングする場合に遭遇する一般的な課題は、スループットの速度です。 サンプルのサイズによって、すべてのデータを得るためにイメージングに非常に長い取得時間と多数の画像分析が必要になる可能性があり、そのことが全体的な実験効率を低下させることがあります。 また、画像取得速度も生体モデル生物をイメージングする場合、光毒性や光損傷によるサンプルの生理機能の阻害、さらには細胞やサンプルの死を引き起こす可能性があるため問題となります。 最後に、サンプル深部のイメージングにおいて、アーティファクトやピンぼけを生じさせる可能性があります。